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```番組内容```
**閉鎖された旧炭鉱の立坑に、美しい音色が響きます。 31年前から時がとまったかのような錆びた鉄や無人のトロッコ。それらと音楽が調和するような不思議な空間が出現しました。 演奏しているのはフルート奏者の畠中秀幸さん(56)です。
畠中さんの右半身はまひしています。 14年前、突然の脳内出血で倒れた後遺症です。
「この体になったことの方がラッキーだ」 畠中さんはインタビューでこう語り、その理由を話します。 演奏行為や日々の生活で、身体の中で「まひがある右側」と「そうではない左側」が仲良くしないと物事がうまくいかない。すると対話が始まる。感覚が2倍になり、新しいものが生まれる。
異なるものを掛け合わせ、新たなものを創造する。 そんな畠中さんのフルートの音色に感動し、全国から演奏や共演の依頼が舞い込んでいます。
戦後80年の今年、戦争の惨禍の場所となった沖縄と広島に慰霊演奏の旅をしました。そして建築家でもある畠中さんは、北海道の農村地帯に「遊び」を通して音楽と芸術を体感できるアートビレッジを作ろうとしています。
左右の感覚が異なる身体から響くフルートの音色は、傷ついた心や土地にどのような出会いをもたらし、どんな変化をもたらすのか。半年間に密着しました。**

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